◇地域の住民力を高める◇

防災意識を高め、住民の自助力で地域の防災意識向上をサポートします



(例①) 農業・農地の復旧

 

2017年九州北部豪雨による被害と今後の教訓について

 

まずは、この度の九州北部豪雨災害により,甚大な被害を受けられた皆さまに対して,心よりお見舞い申し上げます。

合わせて、復旧支援・救援活動に携わられた多くの皆様にも、同県民として、また地域活動に関係している当NPO法人としても、心より御礼申し上げます。

 

ご承知の通り、自然災害の復旧においては、震災教訓以来、早急に災害ボランティア活動が立ち上がり、被災地の生活復旧に向けて全国から物資や人道支援が集まります。

しかし、この度の九州北部豪雨の場合、全体の被害額のうち、農業被害が全体の被害の4割(約800億円?)と多く「家の泥を片付けるよりも先に、田畑等の泥を取り出して欲しい」という切実な声が、被災者の多くから出ています

農地は農水省が財源も含めて復旧支援してくれるはずなのですが、水田の被害の査定が終わらないと前に進めないということで、水田の泥等の取り出しはどうしても遅れる。

また、ボランティアが決定的に不足している中で、農業支援を後回しにする風潮もあって、農地にまで支援の手が届かないのが現状のようです。

さらにそれに加えて、公的に農地とみなされない田畑などは被災者自身でという建前や農業の支援は個人資産をサポートする形になるのでボランティアセンターは取り次がないという建前が、被災者の立場に立ちきれない「形式主義」として、大きく立ちはだかっています。

朝倉や日田は全国有数の果物の産地。大きく地域経済を支えています。その畑に泥が覆いかぶさり、呼吸ができなくなった果樹は枯れ始めています。今急がないと、果実の栽培も水田も、地域の経済も駄目になってしまいます。行政の対応もそうですが、全国レベルでの大規模な農業支援の活動が求められます。

事実、全国に農地復旧ボランティアの団体存在しますが長期的なサポートが要されるため、在住することも困難。しかも活動には人の数と、少なからずの農業知識も必要です。被災者によっては、素人が手を出すことに対する嫌悪感や、「他人がずかずかと入って来られても困る」といった逆循環の相談もあるのが実情です。

 

それに決定的な問題が無償ボランティアの活動費(移動費・運営費)の限界です。

住居やライフラインの復旧におおよそ目途がつく頃には行政支援も手薄になりサポートする企業も減少し、もはや農地まで救援することは難しいのが現状です。

2012年の九州北部豪雨で被害が大きかった八女市・星野村では、5年経った今、棚田の復旧が、ようやく少しずつ進み始めているようです。

 

5年経っても・・・です。

 

我々NPO法人やボランティア団体単独のファンドレイジングに限界があります。

一時的な救援・支援はできても、継続的に復旧作業を進めるには、被災したその地域からのボランティア、とりわけフレキシブルに動ける、その地域に密着するNPO法人の存在が求められています。しかし、災害が発生して地域発生するNPO法人を立ち上げようとしても、登記や手続きに半年かかる場合もあり、やはり常日頃から準備と知識が求められるのは、地元の町内会・自治会の「防災意識」になります。

 

今回の朝倉地区を中心とした豪雨災害は、今後の我が国の農地被害の最たる例になるかもしれません。

全国にある専門のNPO法人やボランティア団体の横の連携ももちろん必要ですが、私たちのNPO法人の考え方としては、自治会・町内会の地縁団体が「力」をつけていくことに特化していきます。

 

「行政がやってくれないのなら自分たちでやる!」

 

という考え方に持ってい環境づくり、つまり自助力を培うことをサポートすることにあると考えています。

それに実は、自治会に対する行政の補助・貸付制度は驚くほど手厚いにも関わらず、通常の活用事例・捻出先を見ると、横並びの「どこもよくやること」のような催し・活動に費やされています。こうした補助金・助成金を使わない知らない。もしくは無駄な活用しているのが今の自治会・町内会ですイベント性や娯楽要素も必要ですが、いざという時の防災システムにも軸を置くべきと考えます。

 

今もし、Jアラートが鳴ったら?

すぐに行動に移せる住民がどれほどいるでしょうか?

 

自治会・町内会の役割は、住民と共に、自分たちの住む地域の大切な産業を守るための意識と準備が必要です。農地の復旧を迅速に行なうのであれば、業者に依頼する方がいいはずです。もしくは、一時的に人材雇用して給与を支払えば迅速に対処できます。

農地復旧を「仕事依頼」として発注できる仕組みを普段から作っておくには、「地域の力」の強化、ひいては自治会の法人化、自治会の組織強化が不可欠かと思います。

 

これからの私たちNPO法人の活動では、まず地域の自治協議会・自治会や町内会の中に入って、実際のその地域の問題点を見つけること。そしてそれを表面化させること。

そして首長と住民の生の声を吸い上げて、その解決のために、行政から補助・助成を引き出す。「用途目的意識」を高めることです。

 

各自治会の中にどれくらいの農地があって、もしもの災害時にどういった復旧計画を持っておくべきか。どのような被害が想定されるか。

また、遊休農地がどれほどあって、後継者はいるのか?市民農園に転換できないか?

自治会が法人格であれば、買上げ・借上げ可能ではないか、災害保険も加入できるのではないだろうか。また、そこで栽培した農産物・農産加工品を朝市やバザー、地域のスーパー、自治会運営の「町の駅」で販売することができないだろうか。

 

今後、私たちNPO法人は、自治会町内会の内部に入り、普段からの防災啓蒙方面で活動し、自治会・町内会「住民の自助力」を引き出すことを活動軸にしたいと思います。

NPO法人自助サポートセンター